麦の穂を揺らす風


映画の冒頭からいきなり、何でこんな簡単に人を殺してしまうのって衝撃を受ける。
アイルランドの人たちがイギリスの支配から独立しようと命を懸けて立ち向かう姿を描いている。
詳しい時代背景など僕は分からないけれど、実際に起きていた出来事だと思ってみているとやりきれない思いでいっぱいになった。ロンドンへ医師として旅立とうとしていた主人公の青年は結局イギリスの支配による理由のない暴力を目の当たりにしてそれに抵抗し立ち向かうことを決意する。仲間の裏切りに対し心を痛めながらも、その仲間を罰として銃で撃ち殺す。仲間同士での考え方の食い違いが生じて最終的には自分の兄とも対立し殺されてしまう。
終始、なんでこんなふうになっちゃうのって感じだった。
いつもながらケン・ローチの演出は過剰なものなど一切なくだからこそ力強く印象的に心にずしりと何か言葉にならないメッセージを落としてくれる。