バタースカッチのこと

バタースカッチがたまにとても食べたくなる。
"明治チェルシー"もおいしいけれど、ドイツの"ヴェルタース オリジナル"も癖になるおいしさだ。

たとえばこんなこと
話すときの雰囲気とかとってもいい感じで
かわいいなぁって思っていて
ちょっと気になっていた女の子が
「これおいしいよ。」なんて
"ヴェルタース オリジナル"を二粒くれるんだ。
「これ知ってる。ほら、CMでおじいちゃんがさぁ、
自分にとって"特別な存在"な孫にあげる飴だよね。
あれいいよね。」
「そーですよ。だって"特別な存在"だもん。」
その言葉に僕は妙にドキドキ緊張するけれど、
なんでもないように答えたんだ。
「ふーん、僕が?」
「そーですよ。」
そんな冗談まじりの会話だけど、
話すときの雰囲気とかやっぱりいい感じだから、
なおさら、気になるようになって、
僕はバカみたいにその気になって、
ついには、その女の子をすっかり好きになってしまう。
その会話ばかりバカみたいに思い出して
うれしくなって過ごすんだ。
ある日、僕が好きだってその女の子に伝えたら、
すっかりふられてしまうんだ。
そんなどうでもいい話。

それでまた僕はバタースカッチを口にする。

おじいさんのヴェルタース オリジナルCM
「昔、ヴェルターという小さな村にグスタフ・ネーベルという菓子職人がいました。グスタフは、バター、生クリーム、砂糖、ひとつまみの塩で時間をかけて極上のキャンディを作り出しました。そのキャンディがあまりにもおいしかったので、村の名前をとって、これを"ヴェルタース オリジナル"と名づけました。伝統的な製法で作られている、なめらかでクリーミーな味わいのこのキャンディは、今では世界中の人々に愛されています。」