目に見えなくてもすぐそばにあるよ
朝起きてだらだらとDVDで映画を見ていたら地震で結構揺れたのでテレビに切り替えてニュースを眺めていて、ああ、大丈夫かなあと実家に電話したのだけれどなかなか繋がらなくて、しばらくかけ続けていたら繋がった。フライパンがガタガタしたとか、母親は揺れに酔ってしまったけれど大丈夫だと言っていたのでひとまず安心してDVDに切り替えて映画の続きを見た。見ていたのは「幸福のスイッチ」でベベチオの歌のほうは大好きで何度も繰り返して聴いたりしていたんだけれど、ずっと見たいなあと思っていた映画を見てみたわけで、ベベチオの歌が流れ出すラストの場面までなんだかとてもあたたかな気分に包まれて、僕はこんなふうに文章を書いてみるときはできるだけ、愚痴みたいなこととか、不愉快なこととか、嫌な感じを排除しようとしているんだろうと思うのだけど、本当の僕はかなり捻くれ者だと思うから、映画の主人公の捻くれぶりに、ああなんだかこういう感じ、自分がとった行動がやたら後味悪い気分になる瞬間のことを思い出したりして、素直になることを恥ずかしがらないようになりはじめた主人公にこうありたいよなあと強く思ったのだ。いいおじさんが何言ってんだって感じだけれど、時にすごく難しいのだけれど、本当は素直でありたいんだ。和歌山県の田辺市という場所の電気やさんが映画の舞台だった。出張だから出掛けて東京駅に着いたら、朝の地震についての号外が配られていて崩壊した家の写真や死者や負傷者の記事に複雑な気分になった。新幹線に乗ってたら遠くの友達からメールが来て、久しぶり、実家は大丈夫?実は私は妊婦になりました、なんて書いてあって、なんだかおかしくてたまらなかった。
- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2007/04/04
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