ドイツ日記 8月21日 曇りのち雨

peanut_butter2007-08-30

朝6時に目を覚ます。シャワー室は共用だったからバスタオルや着替えを持って行ってシャワーを浴びた。7時ごろに朝食を食べようとホテルの食堂に行くとホテルのおじさんがちょっと早いよ、朝食は8時からだよと言われたのでまた部屋に引き返した。特にやることもないのでぼーっとする。窓の外、天気は曇り空が続いていて残念に思う。8時にもう一度食堂に行くとOKだよとおじさん。オレンジジュースにポットに入ったコーヒー、ハムにチーズ、一人分とは思えないくらいのパン、バターに手作りっぽいラズベリーのジャム、全部食べてお腹いっぱい。ホテルをチェックアウト、昨日のホテルのおばさんは言ってくれた通り33ユーロの請求、僕は明日またケルンに戻ってくるけれどここ泊まれるって聞くともちろん、いつでも大丈夫っておばさんは言った。
  
ライン川沿いを歩いて観光船乗り場に行った。買ったドイツ鉄道の切符でライン川の観光船も無料で乗れるらしいので窓口で尋ねてみる。「ボンまで船に乗って行きたいんだけれど、このチケットで大丈夫?」「大丈夫だよ。9時には乗り場のゲートが開くから待っていてね。」9時まではあと数分、少しだけ待っているとゲートが開いたから船に乗り込んだ。ずっと曇り空で残念だったけれど、屋外の船の先端部にあったボックスシートに荷物を置いて座った。涼しいというよりも寒いくらいでリュックから長袖の赤い長袖ボーダーTシャツを取り出して半そでのシャツの上に着た。30分ほどして船は動き出す。CDウォークマンを取り出して音楽を聴く。でもヘッドホーンで耳を塞ぐのではなくボリュームをめいっぱい大きくしてヘッドホーンのコードを耳に引っ掛けて音の聞こえる部分を耳の近くでブラブラとさせて間接的に音楽が聴こえてきて、それと一緒に船が進む水の音も耳に入ってくる。そんな感じでぼーっと船から見える景色を眺めていた。川の片方は工場地や建物がずっと続いて、もう片方は緑がずっと続いてたまに牛や羊もいてってそんな感じだった。しばらくしたら船からも放送で音楽が流れ出した。途中なぜか坂本九の「スキヤキ」が流れ出す。つまり「上を向いて歩こう」ってやつ。ドイツに来たんだから昼真っからビール飲んでみるっていうの一度はやっとこうと思ってビールを一杯たのんで飲んだ。2時間程の船旅、ボンに着いた。

実は僕はベートーヴェンと同じ誕生日。ベートーヴェンの音楽をそんなに聴いているってわけではないんだけれど、年末にほら第九、歓喜の歌が耳に入ってくるとかそんくらいだけれど、とりあえずベートーヴェンの生まれたボンという街を見ておこうって思ったのだ。観光船乗り場に置いてあったボンの街の地図をもらってそれを見ながら歩き出す。なかなか綺麗な街並みだ。広場に出るとベートーヴェンの像があった。それでさらに奥にいってベートーヴェンの生まれた家ベートーヴェン・ハウスにたどり着く。
 
ベートーヴェン・ハウスを見学した。中にはいろいろなものが展示されている。手紙、楽譜、ピアノ、バイオリン、ライフマスクにデスマスク、首が曲がっちゃいそうなくらい大きな補聴器、その補聴器が役に立たないから使われた会話帳。100年以上前のものなんだなって思うとそれだけですごいよなあって思ってしまう。そうか、ベートーヴェンって耳が聞こえなかったんだなあってあらためて思うと耳が聞こえないのに音楽を作ることっていったいどういう感覚なんだろう?音の記憶が体の中に染み込んで実体のない音で体の中で音楽を聴いていたのかもしれない。ベートーヴェンの音楽を今度ちゃんと聴いてみよう。
 
また街に出て広場で地図を広げていたらかわいい女の子が「英語は話せる?何か助けになれないかしら?」って声をかけられた。僕はちょっとゆっくりとコーヒーでも飲んであまいものでも食べたいなあと思っていたのだけど、そんなことを尋ねるのが恥ずかしくなって「えっと、駅はどこ?」なんてドキドキしながら答えてしまった。地図と実際の方向を示しながらとても親切に教えてくれる。かわいい女の子がやさしいととてもうれしい。お礼を言って、「どういたしまして」って女の子は去っていく。そして振り向いたらケーキ屋さんがあった。そこに入ってケーキとコーヒーをいただいた。チョコレートのケーキにはピスタチオのようなナッツのフレイバーが練りこんでありそうでそれが気に入ったんだけどめちゃくちゃ甘かった。食べながら、こんなに近くにケーキ屋があったこと分かっていたら道を教えてくれたお礼にケーキでもご馳走するよってさっきの女の子を誘ってみればよかったとか思うけど、断られたらとても落ち込むんだろうな。たぶん。
 
教えてもらった駅までの道を歩き出すけど間違えてしまって、でも教会があったから入ってみるとちょっと新しくて綺麗でそんなのも見れたしいいかって思う。地図でもう一度場所を確認して駅にたどり着き、鉄道でアーヘンまで向かった。アーヘンの駅に着いて歩き出すと傘を差すほどじゃないけれど雨がぽつぽつと降ってきた。街の中心にあるインフォメーションに入って窓口にいくと受付の女の子がとてもかわいかった。街の地図をもらい安いホテルを教えてもらう。安いホテルが駅からちょっと離れていたから少し値段がかかっても駅の近くのホテルをお願いして、予約も入れてもらった。連絡とか少し手間取ったみたいで、ごめんなさい、ちょっと待っててねって何度か言われたけれど待ちますよいくらでも。やっぱりかわいい女の子がやさしいととてもうれしい。
  
ドイツで一番最初に世界遺産に登録されたというアーヘン大聖堂に行く。雰囲気でとても古い教会だと分かるのだけれど素晴らしく美しい教会だった。1200年前から残る教会らしいのだ。
  
近くに温泉プールがあるというので行ってみる。更衣室はなくてプールの周りに扉とカーテンで仕切られた個別スペースが配置されていてそこで着替える。実は水着なんか持っていなかった。トランクスのパンツをはいて水着のふりをして泳いだのだ。温泉プールということだから水はあったかいと思ったらそうでもなかった。久しぶりに泳いでみるのだが、情けないくらいうまく泳げない。10往復してやるって決めたのだけど、2往復もしたらもう疲れてしまう。でも決めたからには意地になって泳ぐ。40分くらいかけて10往復やっとのことで泳ぐことができた。二の腕の筋肉がかなりキテルなあと思う。でももともと筋肉がそんなにあるわけじゃないから筋肉痛なんてならないだろう。シャワーはとても暖かかった。これは温泉なんだろう。プールから街へと戻ると、暗くなってもう夜の気配で雨は本降りになってきた。でもアーヘンの街はほとんど石畳の道でその雨がなんとなく似合っている感じの街並みだった。ホテルにチェックイン、めちゃくちゃお腹が減ったけれどホテル代を考えたら手持ちのユーロが残り少ないことに気付いた。それから雨がものすごい勢いでそんなに遠出もしたくなかった。すぐ近くの駅まで行くとマクドナルドがあった。日本で100円玉で買えるハンバーガーやチーズバーガーやチキンバーガーはここでは1ユーロ玉で買えたのだった。ハンバーガーそして隣のスーパーで牛乳とビールを買ってホテルの部屋でそれらを食べて、歯を磨いて眠りに着いた。おやすみ。