ドイツ日記 8月22日 雨のち曇り

peanut_butter2007-08-31

朝7時に目を覚ます。窓の外はまだ雨が降っていた。朝食を食べに食堂へ行った。コーンフレーク、パン、ハム、チーズ、ゆで卵、フルーツ、ヨーグルト、パウンドケーキがここでも取り放題。また欲張っていっぱい食べる。朝食を食べたらすぐホテルをチェックアウトしてすぐ駅に行く。列車に乗ってまたケルンへ向かった。この日ケルンに戻ったのはある目的があったからだった。ケルンに戻ってまずユーロが少なくなっていたので日本円をユーロに変えるため駅にある銀行に行った。じゅうぶんなユーロを手にして安心して、前々日に宿泊したホテルに戻った。ホテルのおばさんはまた来たわねって感じで迎えてくれた。「今日もう1泊、大丈夫?」「シングルルームが空いていないんだけれどダブルルームにしとくわね。でも宿泊費は前と同じままでいいわ。」とおばさん。ダンケ!でもダブルルームは一人ではちょっと広い。荷物を置いてまた街へと出かけた。
  
雨は傘を差さなくてもいいくらいにの小雨になった。そして雨はやんだ。チョコレート・ミュージアムに行った。間違いなくチョコレートは僕の好きな食べ物のひとつなんですけれど、やっぱりチョコレート・ミュージアムなんて気になるよなあ。チャーリーとチョコレート工場じゃあないけれど、チョコレートの製作過程の機械がそのまま動いていて作業する人もいて、それも展示のひとつでそこで作ったチョコレートが販売もされていた。カカオを形どった置物からは生チョコが流れ出していてウェハースにそれをつけたものを試食ができた。小さな板チョコももらったけれどすごくなめらかでおいしかった。リンツというチョコレートメーカーのものだ。
  
ケルンの街の地図を眺めながらケルン大聖堂を除いて12箇所あるというロマネスク様式の教会全てを見て廻ろうと決めた。それでケルンの中心街の道という道を歩き廻る結果となった。お昼1時くらいから歩き始めたのだけど、目標としていた4時30分ごろまでで廻り切るというのは無理そうで足はめちゃくちゃ疲れているけれどどんどん気分は焦っていって足早になっていった。自分ひとりで決めただけなのだからそんなに無理して全部廻るのなんかやめちゃってもいいのに、なんだろう、やっぱりなんか意地になって歩き続けてしまった。全部廻り切ったのは夕方5時30分近かった。でもケルン大聖堂はあんなにたくさんの観光客がいたけれど、このとき廻った教会は余り人がいなくて時には自分ひとりだったりして早足で歩いた後は教会の中で少し腰掛けて静けさのなかをじっと目をつぶったり、手を合わせてお祈りするふりをしたり、なんかいろいろな形やステンドグラスや地下の隠し聖堂などを見ることができてとてもよかったなあ。
  

  

  

  

  

  

 
本当は早く廻り終ったなら時間が早くて空いているであろうガイドブックに載っているような有名レストランでご飯を食べたいなあと思ったのだけれどもうすっかりいい時間だったから諦めた。といってもすごくのどが渇いていたんだけれどそんなにお腹は減っていなくてちょっとオシッコもしたかったから、とりあえず近くにあったバーに入った。トイレに行ってすっきりすると気分が落ち着いてカウンターに座ってビールをたのんで一気に飲み干した。この間も飲んだケルッシュというケルンのビールを続けて2杯飲んだ。そして代金を払ってバーから出てくるとふわふわして気持ちがよくなった。こんな気分のときビールも悪くないよなあってって思うのだった。
この前も渡った鉄道の鉄橋を今度は街に向かうのとは逆方向に歩いていった。橋を渡りきって、その近くの駅から路面電車に乗ってケルンの中心街から少し離れたところまで行った。ケルンに戻ってきた訳はこの日にケルンのライブハウスでの音楽をどうしても聴きたかったからだった。ドイツに行こうと思った理由のひとつでもあって、事前にいろいろ調べておいた。去年パリに行ったときにCDも買ったのだけれどHERMAN DUNEのライブを見たかったのだ。この日のメインアクトはカナダのARCADE FIREというバンドだったのだけれど、HERMAN DUNEはゲストで前座だった。googleで調べた地図でライブ会場まで歩いていくとそこには少しずつ人が集まりだしていた。チケットがあるか日本で調べていたのだけれど、ネット販売はもう出来なくなっていてもしかしたらソールドアウトだったりするかも知れないと嫌な予感もあったんだけれど、ここまで来たんだから頼み込んでも入ってやるつもりだった。
 
チケット売り場らしい所にくるとそこは閉じられていて、ああ、やっぱりソールドアウトだったのかと思って不安になってしまった。不安な表情が伝わってしまったのか、近くにいたおばさんに声をかけられた。ドイツ語で分からなかったけれど、今日のチケットはもうソールドアウトなのかなあ?って英語で言うと隣にいたおじさんが、そうは思わないけどね、たぶんチケットはあるよ、なんなら売ってあげるよ、というので本当!いくらって聞くと25.3ユーロと書いてあるチケットを見せて、25ユーロでいいんだよと言って売ってくれた。定価より安く売ってくれるなんてダフ屋とかではなくてどうやら余っていたらしい。そんなやり取りをしていたらチケットの窓口が開いて当日券が26ユーロで売り出される紙が貼られた。おじさんは、ほら見てみろよ当日券はあるよ、でも君は1ユーロだけだけど得しただろ、ラッキーだろって言った。僕はありがとうって返したら、おじさんは楽しんでこいよって言った。とにかく広いライブハウスだった。中に入ってすぐはあまり人がいなくて広々していた。ビールを飲んだりソーセージを食べたりしてステージのすぐそばに座って時間が過ぎるのを待っていた。そろそろかなって立ち上がると人がすごいたくさんでステージのほうへと向かってつめていった。それでHERMAN DUNEが現れた。後ろを向くと動きがとれないくらいのすごい人だ。ARCADE FIREというバンドはすごい人気のバンドらしい。そんななかたぶんこの会場で一番くらいHERMAN DUNEのステージに興奮していたのが僕だったんじゃないだろうか。HERMAN DUNEの音楽はとてもやさしいメロディーとシンプルなうたと演奏でずっとCDで聴いていた音楽のイメージと変わらない。生で聴けるのが本当にうれしかった。実はHERMAN DUNEのことを知ったばかりのときはシンガーソングライターだって思っていたんだけれど、CDのクレジットやネットなどで見ているうちに薄々気付いていたんだけれどボーカル、ギターのDAVID-IVAR HERMAN DUNEとベースのANDRE HERMAN DUNEとドラムのNEMAN HERMAN DUNEの3人組のバンドだった。この日はあと2人のホーンやクラリネットやリコーダーを演奏するサポートを加えた5人でのバンド演奏だった。なんというか、HERMAN DUNEの演奏や歌はいい感じに力が抜けた感じで気持ちいい。そういう感じが僕が好きな理由だと思う。メインアクトのARCADE FIREは10人組のすごく力のこもったロックバンドだった。バイオリンの女の子とか、曲によってドラムやキーボードやなんて名前か分からない楽器をこなしたりメインでボーカルもとったりもしていた女の子が印象的だった。パイプオルガンまでステージにあって演奏されていたのも印象的だ。バンドのメインボーカルはなかなかカッコいい男の人だった。映像を駆使した演出もアートロックって雰囲気で、日本で今年見たベックのステージなんかに通じる世界感だった。すごくおもしろい展開をしているバンドだなあと思ってかっこよくて気に入りました。それにしてもすごい盛り上がりでARCADE FIREはすごい人気のあるバンドだったんだな、僕はぜんぜん知らなかったんだけれどね。本当に最高だったなあ。このとき僕はWILCOのTシャツを着ていたんだけれど、会場にいた体格のいいおにいさんが、オー、アイ・ラブ・ウィルコ!そのTシャツいいなあ、いいなあって話しかけられて僕はだたただ、ヤー、ヤーって答えていた。HERMAN DUNEのCDやTシャツを買ってもう大満足して会場をあとにした。そんなケルン・コンサートの夜だった。ホテルに帰って興奮したまま買ってきた水をがぶがぶ飲んでから眠った。おやすみ。
 

Giant

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フューネラル

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