冬のにおいが好き

peanut_butter2007-12-08

冬のにおい、冬のにおい、冬のにおいが好き。肩をすぼめ襟を立てて歩く感じが好き。
朝起きて洗濯してから、近くの市民施設にある映像ホールにカンヌ映画祭でグランプリを穫った「殯の森」を見に行った。33年前に亡くなってしまった奥さんの影を脳裏に残したまま空想の中で生きているようなおじいさんと介護士とが亡くなった奥さんの供養をのために森のなかをさまよってしまう映画。生きていることを実感すること、誰かのことを強く想ってみること、いつか訪れる死のこと。不思議な感覚になる。
家に帰ってきて、John Lennonのベストアルバムを聴く。居眠り。夕方になって近くのライブハウスに行った。6月に公演予定だったフラワーカンパニーズのライブがボーカルの鈴木圭介さんがのどにポリープができちゃったために延期されて振替公演として行われたライブだった。僕は6月の公演チケットを持っていたのだ。最初から僕の好きなうた「冬のにおい」が演奏されて嬉しかった。John Lennonの命日。ジョンのこと、ラブ・アンド・ピースっていうのはどうでもいいんだけど、のどから出すシャウトが好きだっていう鈴木圭介さん。John Lennonミュージアムのすぐ近くにある小さなライブハウス。フラワーカンパニーズのロッキュン・ロールは最高だった。すごい勢いで飛び跳ねる若者たち、背の小さな女の子たちも拳を突き上げる。ああ、僕はあんなふうに飛び跳ねたり拳を突き上げたりするのにはもう照れてしまってだめだけれど、ロッキュン・ロールのことはきっとずっと好きでいられそうな気がする。2度のアンコールでもう演奏が終わりかと思ったら、鈴木圭介さんがアコースティックギターを持ち出して登場、ズチャチャ、ズチャチャ、ウエンザナイッハズカム、メンバーのグレイト前川さん、ミスター小西さん、竹安堅一さんが次々に再登場して演奏に加わる。ダーリン、ダーリン、ステンバイミー。大合唱が起こる。いつまでもこの歌と音楽がつづけばいいのにって思った。歌うことは愛することに似ています。どちらも本気で立ち向かわなければ何も得ることができません。僕はこれからも歌うようにいろんなひとたちを愛していきたいと思います。そして愛するようにうたを歌い続けていきたいと思います。というような言葉を高らかに宣言する鈴木圭介さん。こんな恥ずかしい感覚がフラワーカンパニーズの魅力だと思う。とても素敵なバンドだ。家に帰ってJohn Lennonのロックンロールを聴く。

Rock N Roll

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John Lennon Collection

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