モンテーニュ通りのカフェ
ジェシカは幼いころ両親を亡くし、おばあさんに育てられた。おばあさんは何度も同じ話を、もう聞いたかしら?と繰り返す。ジェシカはいつも初めて聞くようなそぶりで、セレブに憧れていたけれどなるすべがなかったからパリの有名ホテルで働き始めたというおばあさんの話を何度も聞いていた。また、おばあさんは婚約者に裏切られたジェシカを気遣いいつまでもこの場所にいたらふっ切れないわよといい、それに後押しされて自らもパリに出て仕事と住むところを探し始める。そうして働き始めたのが劇場やギャラリーと隣り合うモンテーニュ通りのカフェだった。そこで働く人達やピアニストや女優や美術品収集家と関わりあいながら自分の居場所を見つけだすっていうようなそんな映画だった。出張の空き時間にたまたま時間の都合とあったからその場で決めて見てみた映画だったんだけど、とてもいい映画でじわじわと染み入ってしまっていた。抱えている状況に違和感を感じたり、だれかと争ってしまったり、理解し合ったりそんな繰り返し。いつも姿勢がピンとしていて、愛嬌があふれるジェシカがとてもチャーミングだった。ピアニストがジェシカに「きらきらぼし」を弾いて聴かせる。この作曲者はモーツァルトだ。