祈りと宇宙と海とレンガ倉庫

お昼前に家から出かけた。どんよりした天気だけれど寒くはない。「ロゼッタ」「息子のまなざし」「ある子供」など気がつけばそのたびに映画館まで足を運んでいたベルギーの映画監督ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟(作品の名前は覚えているのだけれど監督名はすぐ忘れてしまうので改めて調べてみた)の新作「ロルナの祈り」を見に行った。ダルデンヌ兄弟の映画はいつもなぜかいちいち気に留めておかなくちゃならないような気にさせられる情景がスクリーンに映し出されていてその情景を目にしたときの気持ちはどんな表現で説明していいのか分からない。「ロルナの祈り」もそうだった。エンディングのクレジットのとき今までの作品は無音だった気がしたけれど、「ロルナの祈り」ではピアノの音楽が流れていた。映画の中でもいくつか音楽が流れていたのはBGMとしてではなくロルナの偽装結婚の相手クローディがCDでロックを聴いているからだったりパブで音楽が流れていたからだ。クローディはロルナの存在だけに希望を見出しているみたいでクローディの存在がこの世から消し去られてしまったあとにロルナの中にもその希望が乗り移っていったみたいだった。映画を見たあとに映画館の近くでやっていた絵の展示を見に行った。3人の作家によるプラネタリウムというテーマの中で描かれた絵の展示だった。作家の一人田沢ちぐささんは別の場所で顔を合せた事がある方だったので緊張しながらも少し話をした。プラネタリウムということから銀河や星なんかがテーマとなっている抽象的な絵の作品だったのだけれどなんだか深い深い海の中のようにも感じられるなあと思ったのだけれど、真っ暗な夜空の中だと空と海の切れ目の地平線もよくわからなくなるからとかそんなような感じのこと。偶然にも「ロルナの祈り」は田沢さんも見に行ったという。ふくよかな感じの人が好きで女の人の絵を描くときこういう絵になるんですと言っていた絵のポストカードを買った。それから久しぶりに横浜に行った。横浜の馬車道の先にあるレンガ倉庫の中にあるライブレストランでアメリカのシンガーソングライターRachael Yamagataのライブがあったから見に行ったのだ。Rachael Yamagataの新しいアルバムは別のコンセプト2枚のアルバムをひとつにして日本盤で発売されたもので年末からここのところよく聴いていたのだけどバンドを従えてピアノを弾いたり、ギターを弾いたりしながらいろんな表情を見せる歌を間近に見ることができた。Rachael Yamagataを初めて聴いたのは1963というポップソングで大好きなのだけれどそれが歌われなかったのはとても残念だった。思った以上にパワフルな印象だったのは思ったよりもふくよかな女性だったからかもしれない。