今日のラッキーカラー

朝は雨がまだ降っていた。そんななかで小旅行に出掛けた。電車に揺られてipodで音楽を聴きながら。カナダ出身のK.D.ラングのカナダ出身のアーティストをカバーした曲が中心のアルバム、ニール・ヤングのヘルプレスとかレナード・コーエンのハレルヤとか、素晴らしくてしびれてしまう。臨時の送迎バスに乗り継いでそこではチューリップのベストアルバムをうとうとしながら、チューリップ何気に好きだなあ。ハッと目が冴えたらアイスリンクに着いていた。奥にそびえる山は雪に覆われていた。少し冷える。イーグルスの優勝を賭けた試合を見に来たのだ。満員の会場、でもイーグルスのファンはほんの一角、超超超アウェーな感じでした。でも試合は一方的なイーグルスペースだった。もっと点が入ってもいいくらいだったけれど、1ピリオドに1点づつ3ピリオドで3対0と優位に試合を進めていた。もうすぐ優勝間近と思ったつかの間、鋭いシュートがゴールポストを掠めてイーグルスのゴールネットに突き刺さってしまった。少し落胆していると会場が一気に超超超超アウェーな状況に、流れがこっちに向いて来たぞなんて声が聴こえてくる。僕は負けるな負けるなと声に出さずに繰り返した。でも、相手も決勝まで進んだ手強いチーム、ただではすり抜けさせてはくれない。観客との一体感の力がこもったかのように続けて2点を追加、なんと同点になってしまった。サドンデスの延長戦、気分を入れ替えたかのようにまたイーグルスのペース、また負けるな負けるなと声に出さずに繰り返しなんだかイケそうな気がしていたその瞬間、イーグルスがゴールを決めた。もう両手を上げて大喜びした。リンクの中で涙を目にしながらガッツポーズをする姿を見ながら、涙を堪えてガッツポーズを返した。手が痛くなるくらいに拍手をしていそいそと帰りのバスに乗り込んだ。そしてハッとした、こんなにもつれてしまったのは僕なんかが見に行ったからかも、オレンジ色で埋めつくされた会場、相手のユニフォームもオレンジ色、僕はイーグルスの応援なのに、無意識に家から持ってきたマフラーはオレンジ色のタータンチェック、布のバッグもオレンジ色、なんてこったって思った。
いや違う、今日のラッキーカラーはオレンジ色だよ、きっと、ねえ、最強のゴーリー。帰りの電車のなかで発泡酒で祝杯、聴いている歌もオレンジ色だよ。