トゲトゲ

日の出はずいぶん速くなったし、始発の電車に乗って出かけたけれどすでにもう明るかった。飛行機に乗って眠りについて振動によって目が覚めると着陸してて飛行機に乗っていたのかも実感もない感じだ。雲ひとつない青空が開けてた。日のひかりの暖かさとべたつきがいっさい感じられないひんやりした風が気持ち良かった。いつもだったらまだ出勤前の時間に遠くの場所のコーヒーショップでモーニングを食べたりしてさっきまで家でレコード聴いたりしてたななんて思うとやっぱり不思議な気分になる、何度でも。用事を済まして次の用事のために夕方に電車に乗る。4時間くらいの旅路、飛行機の時間的な部分での味気ない感じとは違う電車の移動は何だか趣があっていいなと思う。暑くなんかないのにアイスキャンディーを買ってたべたりスナック菓子で缶ビールを飲んで窓の外の緑や山や海の開けた景色を眺める。もう夜のはずなのに眩しいひかりがあって日がずいぶん明るくなったなと思ったけど確か土曜日くらいが夏至とかじゃないかなってそういうことだなと納得した。本を開いて読んでみるも、もう少しで青豆と天吾が出会いそうなのに眠気やいろんな記憶が邪魔して進まない。ぼんやりして、朝に届いてたメールがあったなと読みかえしてみる。去年の末に高円寺カフェでの安藤さんにライブをしてもらった時に来てくれてたカップルのひとが土曜日のレテに来てくれててとても楽しんでくれたみたいでわざわざメールをくれた。そしてアンコールでトゲトゲが聴けたのがとても嬉しかったと書いていた。田四郎くんのアンコールだけじゃなく、安藤さんのトゲトゲのアンコールがあって本当によかったと思う。ゲストなのに一番最後にアンコールを歌ったホッタさんのドアの鍵はかけないでおくって歌もグッときたしよかった。クリスマスのライブもまた行きたいって書いてあったけど、この間行ったら高円寺のカフェはなくなってしまっていた。好きな場所があることは本当にうれしいことだけど、好きな場所がなくなってしまうことは本当に残念でたまらない。ああ、そんなふうに思ったんだ、だから歌をうたうよなんて歌えたらいいんだけどな。