リターン

空港で昼間からビールを飲んでしまった。でも移動中は眠くならなかった。ちっとも進まなかった最近読んでいた本、本の中に緩やかに入り込めてずいぶん読み進んだ。それにしても乗り物の中の冷房はどこも寒すぎる。帰り道に電車を待っていて、9月も半ばなのに直接当たる日差しの強さとその暑さにやられてしまう。家に着いたら8月の終わりに海外に送った小包が戻ってきていた。住所が違うのかなとメールで連絡してみたらすぐ返事が来て番地かなにかの数字がひとつだけ違っていた。たった数字がひとつ違っただけでわざわざ飛行機で遠い国の目的地の近くにまで行っていたのに、また戻って来たことがなんだかおかしく思った。お昼を過ぎていたけれど暑い日差しを思い出して洗濯だなって思って洗濯をした。洗濯物を干すときにベランダに出た時は日が直接にベランダまで届かない位置だったから暑いは暑いけれど少し涼しくも感じて秋の気配だなって勝手に思った。夜に本の続きを読んだ。開け放した窓の向こうからは秋の虫の鳴き声がただただ聞こえてきた。それからAnne Briggsの歌を聴いていた。
the time has come