ここにいる


朝起きてピーターバラカンとゴンチチのラヂオを布団に包まりうとうと聴いた。それから出掛けてキョーさんの出るランチライブに行った。人によって音楽とか聴いてその捉え方は様々なんだろうなと思うけれどインタビューで紹介してからライブをするというのがおもしろかった。キョーさんの演奏は今日もよかった。久しぶりに双葉さんのアンダースロウのカバーも聴けてよかった。それから年末に案内をもらってただるまの展示を見に行ってみた。これもまた人それぞれの想像でいろんなだるまがあっておもしろかった。ぺすかさんのは頭にヘビが乗ってた。途中にあった古本屋で文庫本を2冊を300円で買った。それから飲み屋でのゆうにゃんがやってくるからノギオ君がしかけたの投げ銭弾き語りライブを見に行った。池田君、古宮さん、ノギオ君(+まきちゃん)、ツマハジキさん、ゆうにゃんの順で歌を歌ったのを心から楽しんで聴いた。僕はやっぱり機械的なものよりちゃんと人がそのままに表れている音楽が好きだと思う。みんなとてもよいうたを歌っていたので何度もぐっときてこれはヤバいなあって思った。小さな飲み屋のカウンター席を埋める人達は大人数ではないけれど、ちゃんと確かに ここにいる っていう感じ、うまく言えないけれどそんな感じ。5組の中で初めて歌を聴いたツマハジキさんはとても長い音を出すためにいくつも穴を自分であけてつなげてヘビに見立てた紙巻き式のオルゴールを奥さんに回してもらいながらオルゴールの弾き語り、カウンターに耳をあててオルゴールの響きを聴いてその歌を聴いたけれど、きっと作るのとても大変だったと思うけれど、とても素敵だなって思った。ゆうにゃんに 夜と感嘆詞 をリクエストして歌ってもらった、誰もが夜に触れそうなそんな夜だった。
移動中聴いてたyo la tengoの新しいアルバムはすごくよい感じでやっぱり大好きだと思った。年末にライブを見て素晴らしかった鈴木亜紀さんの書いたエッセイの本 お尻に火をつけて を読み終えたけれどこれもとてもよかった。こんな文章とかすごくいいな。
「思うに、足の下にマンホールのようなのがあって、人類はそのフタを閉めたままその上を平然と行き来しているのだが、そのフタの存在に気づかなくても不自由ない人と、フタを気にしつつ通り過ぎる人と、最初はおそるおそるフタを開けて覗き込んでしまう人、そうしなければ気の済まない人がいる。そうしないで生きてゆくことが、空虚に感じられてしまう人が。フタを開けてしまったときは処せないで困るが、思い切って見据えてしまうとそこから開けてゆくものがある、私にはそんな図が浮かぶ。何の?地の果て、の。下へ下へ踏み込む力。そうしないと上へ向かえない。が、開け方を誤ると死んでしまう。でも大抵は死にそうな所まで行って、ちゃんと帰ってくる。そして気付けば全てがシンプルになっている。」
いつか見たノンストップ・ガールという映画ではこんな言葉が出てきてたのを思い出した。
「世の中には思い切りのいい人がいる。すべてを投げ出してエイヤッとばかりに崖からジャンプそういう人は単なるバカか勇気のある人か、異常か、それともとんでもなく幸運な人か、それこそ見方によるんだと思う。」
別に突拍子もないことしたいわけでもないけれど、人生はたぶん一度きりだしね。