雨音と小唄

仕事帰りにトンチさんの企画を見にムリウイに行ってきた。一月の大雪で流れてしまったライブのときからお友達とちょっと企画やろうと思ってておすすめだと伺っていたので楽しみにしていた。トンチさんが雪の次は強い風と雨を連れてきたと冗談ぽくたけしさんと話したけれど、行いが悪い僕のせいじゃないだろうかと心の中で思った。トンチさんはピアノやサックスのカメイナホコさんとコントラバスの稲田誠さんとのトリオでスチールパンもエフェクトはかけないでそのままな音での演奏でとても心地よくもあり即興的なおもしろさもありこれはなかなかだなあと夢中になってわくわくする感じで聴き入っていた。三味線とうたの柳家小春さん、江戸時代の流行歌などを唄っているようですがこういうのは生では初めて聴いたけれど、うたも良いし、さりげなくクスってしてしまうような語り口の穏やかさが素敵だなあと思った。強い雨が降っていて、屋根を打ち付ける雨音は雑音ではなく、それも一緒に音楽だった。トンチトリオと小春さんのセッションは緩やかでありつつなかなかのカオスな雰囲気ですごいなあと思った。セッションの前に和服姿でばっちり決めた小春さんが僕には扱えそうもないスマートフォンアメッシュ?とかいう雨情報を調べて、まだ雨雲が上空を覆っているけれどもう少し長めに演奏したら雲の切れ間が現れそうですのでと現代的にスマートに情報を押さえていたのがなんだかおもしろいなあと思ったけれど、演奏が終わる頃には本当に雨が弱まって帰るときには雨が止んでいた。