どうせパチンとひび割れて

朝起きるとベランダから広がって見える空は気持ちよくすっかり快晴だった。それでも窓を開けていたらものすごい勢いの風の吹き付けでしょうがなく窓を閉めた。ダラけてしまい、夕方に出掛ける。あやしい灰色の雲、一応傘を持ってった。最寄駅の公園にはチューリップやたんぽぽが咲いてた。中田さんのライブがあるというので見に行った。中田さんの声はやっぱりよく通るので今度の生音で聴くのが楽しみだ。シンプルさや言葉がはみ出そうな勢いとかがなかなかいいなと思う。タバコにやられてしまってクラクラで頭が痛くなった。音楽は好きだけと、聴く場所の環境は自分の好みを選んだり、お目当て以外はもう見ないとかしないと正直つらいなあと思った。家の最寄駅を降りて大きく息を吸ったり吐いたりして歩いて息を吹き返す。ちょっとヒンヤリとした空気が気持ちよくて、空には星がよく見えた。雨は降らなかった。家に帰って、スピッツのファーストアルバムを聴いた。またしても風呂なしアパートのころを思い出す。あのアパートはもうないけど、こんな歌ばかり染み付いて窓辺には雛菊が咲いてた。あ、言い過ぎた。こんなひねくれてて、それでいてかわいらしくキュンとして、カゲを感じつつも気分がすっとする感じはなかなかないよなあと、あらためてその歌のなかに潜り込んでいた。