お墓参り

いつぶりかわからないけど、久しぶりにお墓参りをした。お墓はおじいちゃんが建てた。線香を供えて手を合わせながら、他にはない立派なお墓だとあらためて思う。墓石ではなくて小さなお家みたいだ。どうしてこんな墓にしたのだろう。見栄っ張りだったのかもしれないし、違う思いがあったのかもしれない。このお墓が建ったときはまだ僕は小さかった。そのお墓に最初に納骨されたのは東京のおばさんだった。おじいちゃんにとっての最初の子供だった。親元を離れて独身のまま会社勤めをしていたけどガンになって亡くなった。今の僕と同じ歳くらいだったのかもしれない。早くに死んでしまった自分の子供に過ごしやすい家を建ててやりたかったのかもしれない。そんなこともう、どうだったのかわからない。おじいちゃんは自分の場所の背中の後ろに日本酒の一升瓶をいつでも置いていて酒ばかり飲んでたけど、お人よしでやさしかった気がする。今はお墓のなかで東京のおばさんとおじいちゃんとおばあちゃんが三人で暮らしている。