どんよりした曇り空でも


一週間が過ぎてゆく。月曜日の日には夕方に少しだけでも国会議事堂まで行こうと思ったけれど、夕方に声をかけられて始った打ち合わせは終電ギリギリまで続いた。次の日は政府が勝手に日本が戦争に参加できることを決めてしまった。残業でもう夜10時前だったけれど仕事場から近い場所だから国会議事堂に歩いて行ってみた。かすかな記憶で歩いて行った頭の中での国会議事堂は間違っていてとても静かで人影もなかった。そこは最高裁判所だった。そこにあった案内板の地図を見て軌道修正して歩いてゆくと国会議事堂が見えて来た。でもぜんぜん人がいなかった。どうやら抗議ブースとは反対側みたいだった。そういうこと全くよく分かっていないのだった。柵のまわりの歩道を伝って歩いてゆき反対側に向かおうと思うと警察官が立っているのが見えた。そして警察官のいる場所に近づくと歩いているすぐとなりに警察官がついて来て「どこに行くんですか?」と聞く。「ただ散歩です。歩いてるだけです。」と答えるけれど、ずっとついて来て「抗議への参加ですか。」と何度も聞いてくるのでちょっとめんどくさくなって「はいそうですよ。」って答えた。「抗議ブースがあるのでこっちに来てください。」と抗議ブースの近くまでずっとついて来た。抗議ブースに着くとおそらく夕方よりも人は減っているのだろうけれど、それでも歩道にはたくさんの人がいて抗議の声をあげていた。主導する声に合わせて「勝手に決めるな」と声をあげた。情けないけれどたった10分くらいそうしてるだけで切なくなってその場を離れて電車に乗って家に帰った。

10年ちょっと前のこと、ニューヨークに旅行に行ったその日にブッシュが戦争を始めた。"NO BLOOD FOR OIL""FUCK BUSH"そこでは大きな抗議活動が起こっていた。