おじいちゃん

夜に実家に帰ると連絡したら、新幹線が着く時間に父親が車で迎えに来てくれた。車の中でなぜかもう20年以上前に病死しているおじいちゃんの話になった。今まで知らなかったけれど、おじいちゃんは8人兄弟の長男だけれど一人だけ、腹違いの子供だったそうだ。ひいじいちゃんとひいばあちゃんは子供(おじいちゃん)が生まれてすぐうまくいかなくて離婚してしまった。ひいじいちゃんが再婚して子供ができると、長男だったけれどおじいちゃんは養子としてはじきだされたそうだ。生みの母親のことは知らないまま小さいころに辛い思いをしていたんじゃないかという。もし、おじいちゃんが養子に出されなければ、今の自分の苗字は違ってたんだねと僕が言うと、いや養子に出ていなければ俺もお前も存在していなかったんじゃないかと父親は言った。確かにそうかもしれないと思った。