雪が降った


京都の冬は寒いでしょうと言われるけれど、それほどでもないって思って過ごしていた。ただこの週末は全国的な寒波みたいで京都も土曜日の午前中からチラチラと雪が降り始めた。家に引き蘢って今年はじめのピーター・バラカンゴンチチのラヂオを聞いた。ピーター・バラカンのラヂオでCowboy Junkiesが来日するって知った。とても見に行きたいけれど、どうしようと思う。でも来日紹介のあとに流れたのはTom Waitsだった。何で。

まだ明るい時間に家からすぐの銭湯に行ってゆっくりと風呂に入った。そういえば銭湯に来たのは今年初めてだなと思う。家に帰ると雪はまだそんなに積もっていなかったけれど、家の瓦屋根はうっすらと白くなっていた。それからも雪は降り続いて真っ暗な夜に窓を開けると雪はだいぶ積もってった。引き蘢ってずっとインターネットでとあるドラマを見た。なんだかとてもよかった。爽快な気分になるのに何故か涙ばかりがたくさん出てきた。ドラマだってわかっているけれど、あの人はやっぱりロックなのだなとか思う。分からないけれど、ありのままな気がする。今年初めて湯たんぽを出してきて布団に忍ばせた。湯たんぽの威力はやっぱり凄いと思った。
日曜日の朝、窓を開けると真っ白だった。歩いて回りたい気分になったけれど寒くてまた布団に潜った。湯たんぽはまだ暖かかった。おなかが空いたので餅を焼いて砂糖醤油をつけて海苔で巻いて食べた。これはたぶん磯辺焼きっていうのだと思う。それからまたダラダラしていたが、また窓を開けて外を見ると雪はそれほどでもなくなって青空が見えたので着替えて出掛けて、地下鉄で街中に出てみた。電車を降りて地下から地上に出たらまた雲がかった空で雪が凄く降り始めていた。レコード屋をちょっと覗いてそのあとも雪が結構降っているのでちょっとの時間でまた地下鉄で最寄り駅まで戻ってしまった。そしてまた地上に出ると雪はまた弱まっていた。よく考えたら土曜日から今まで何も言葉を発していなくて、月曜日にうまく声が出せない、また声が出せなくなるあの感じを思い起こさせるようだった。いいと思っていた場所がふと気配を消してしまって、そこにいた人たちががふと姿を見せなくなってしまったのは何でなんだろう。僕は分からないことばかりでいる。家から一番近い喫茶に行ってみることにした。おいしいごはんと珈琲をいただいた。そしてちゃんと声は掠れずに出すことができた。

はしゃぎまわった友達が笑わなくなったのは誰のせい?分からないが。

何かに逃げ出したくなってもしょうがないもの。それでも、なんとかなっていてほしいよ。
andymoriのハッピーエンドという歌がとても好きだな。と布団に潜りながら聴いている。