たとえば

昨晩はsakanaのライブを見てきた。いつもギターと歌にただただ惹き込まれてしまう。アンコールはblind moonだった。ちょうど3年前に(埼玉に住んでいたとき)北浦和のクークーバードでsakanaを聴きたくて企画してライブをやってもらったことを思い出す。そのときライブのタイトルをペーパームーンとした。月をイメージしていたからblind moonも歌ってほしいと頼んだのだったか歌ってくれてそのときの動画がyoutubeで見れるので家に帰ってきて見てみたら昨晩ライブで見ていた位置と同じアングルの映像で何か可笑しくそれでいてとても懐かしい気持ちになった。いろいろ思い出すこと、ペーパームーンは映画のタイトルから取ったのだけれど、ライブ前や休憩の時間はペーパームーンサウンドトラックを流していて、ずっと覚えているわけではないけれど、こんなふうにふと思い出すと、sakanaのライブはまるで良質な映画のように自分の記憶の中に残っているのだった。ライブ始まった時に「名画のワンシーンのようなそういう夜をみなさんと作りに来ました。」とポコペンさんは言ってくれてそういう暖かな雰囲気の夜だった。そのとき「たとえば」という歌を事前にリクエストしていて、リクエストした時に最近ライブであまりやってないけれど振り返ったらよい曲でしたねというようなこと言っていた気がするけれど歌ってくれてうれしかった。その後に見に行っているライブで「たとえば」がいつも歌われていてなんだかうれしかった。それが昨日のライブでは歌われなかった。ちょっと淋しいようでいて、でも新曲が聴けたりするのがうれしいことだった。新曲のことを負け組の歌なんですよ、sakanaの歌はほとんどそうなんですけれど、と言っていた。
家に帰ってきてからやっぱり聴きたくなって3回くらい繰り返して「たとえば」を聴いた。

たとえば 君のハートの中で見ている景色が とても眩しくて とても美しすぎるために 誰かが良くないことを言いはじめるだろう でも空しい響きなのさ たとえば君が痛みもなく 星の翼を広げた夜空を 眺める日々を夢見て 歩いているだけなのに 誰かが良くないことを 言いはじめるだろう でも空しい響きなのさ たとえば君が痛みもなく 花びらに触れる日々を 怒りもなく微笑み続ける日々を 夢見つづけるなら どこかに友が いるはずだろう それは うれしい響きなのさ

これも負け組の歌なのかな。だけどポコペンさんは言っていた。それでも前向きな気持ちでいようとしているんですよと。

ケーキを納めている喫茶店の本棚で借りた分厚い本を読み終えた。池澤夏樹の「氷山の南」という本。最初はあまりのめり込めなかったので読むのが時間かかったのだけれど、だんだんと惹き込まれて行って最後は集中して結構なページ数を一気に読み切った。