濃い珈琲

内緒のお誘いをうけて去年の秋以来に海の見える喫茶店に行った。今度は歩きではなく車に乗せてもらっていろいろと回った。笑顔の写真、計り知れない悲しみがあったこと、それを乗り越えていく笑顔がそこにあること、なんにもできない僕はやっぱり情けないけどぎこちなくて、でも笑顔でいようと思った。海の見える喫茶店、漁場の民家、山の喫茶店、そしてまた海の見える喫茶店で珈琲を飲んだ。予定外だったけど成り行きで一泊することに、ソファーに寝転び暗い中で少しだけ窓を開けてみる。波の引き寄せる音と海鳥の鳴き声を聞いていた。