vento dell' ovest

"vento dell' ovest"
ピエモンテの小さな町にて−
最終日のギリギリの時間にハヤスコさんの展覧会を見に行くことができました。とてもひさしぶりにお会いできましたが、ちゃんと覚えててくれて、前の展覧会のときに置いてあったはにわの人形をほしがっていたことも覚えてて、今だってほしくて、いつか貰いたいのだけれど、うれしかった。
ほんの少しお話したのですが、ヨーロッパをしばらく自転車で旅をして、イタリアのミラノに半年滞在し、そのあと一年ピエモンテという田舎町に滞在し、展覧会を開く機会に恵まれて...ということで、話を聞いているととても楽しそうですが、きっと大変だったこともたくさんあったと想像できるけれど、それでもちゃんと意味のある結果を残して、そんなふうにとても貴重な経験をしてきたみたいです。展示されているものはその旅行のなかで描かれたものだそうです。
絵を見るときとても興味深いのはその絵の持つ質感の表情が伝わってくることで、画集とかちゃんとした技術で印刷されたもので、その絵の雰囲気や好きだなこの感じとか、そういうことを感じることができたとしても、実際のキャンバス上に描かれたそのものの表情にはもっと深く伝わってくる何かがあると思ったりします。ハヤスコさんの絵には特にそういうことを感じます。絵の技法とか、僕にはそういうことはよく分からないけれど、木の板をそのままキャンバスにしたような絵には、単に筆で描かれただけではないような、削ったりとか、叩いたりとか、盛りつけたりとか、勝手な想像ですけれど、そのキャンバスそのものに刻まれたでこぼこした質感がその絵にいろいろな表情を与えているのが、目に伝わり見えてくるのです。だから、近くでじっと見たり、ちょっと離れて全体を見たりしていました。イタリアの風景かどうか、イタリアにはまだ行った事のない僕には分かりませんが、ちょっと前にすでに見た友達から入っていたメールに「石畳とか水の香りがしそうな」って書いてあって、なるほどなぁって思いました。イタリアって想像すると色鮮やかな町並みを勝手に想像してしまうけれど、僕が訪れたことのあるヨーロッパの感じって昔ながらのしっかりとした建物が立ち並ぶ石畳の町並みを思い浮かべるし、曇り空や雨の雰囲気もなんとなく印象的に感じてしまう景色だったりする気がして、そんな雰囲気が絵から感じられました。
前の展覧会のとき、僕は人物画がとても印象に残っていて、特にタイとかベトナムのような雰囲気で傘をかぶった女の子の絵が印象的だったのをよく覚えていたのですが、今回は風景画ばかりでした。「人物画は描かなかったの?」と尋ねてみたら「描かなかった、人物画は本当に難しい。」と言っていました。ちょっと残念に思いましたが、またの機会に印象的な人物画もまた見てみたいと勝手に思うのでした。

la quiete
イタリアでの展覧会「西風」用のポストカードをいただきました。
展覧会でも展示されていて3m弱の大きさの大作で「静寂」という日本のタイトルだったと思います。
写メールでは全部収まらないね。

そのポストカードの裏に書いてあったスケッチです。
天辺の十字架の周りに鳥が3羽飛んでるよ。

展覧会を見たあと、近くに月光荘という画材屋さんがあってひさしぶりに覗いてみて、ガラスの食器の展覧会を見たり、スケッチブックやポストカードやレターセットを買いました。帰り道でハッと思い立ち、ポストカード収集が趣味なのかそういえばたくさんのポストカードが袋に無造作に入れたままにしてあるなぁって思って、ポストカードを入れれるスクラップブックを買って家でせっせとポストカード整理をしました。
ポストカードを眺めるのは楽しい。ポストカードを書いたり貰ったりをもっとたくさんする機会があるともっと楽しいのかもしれないな。