田舎の生活

peanut_butter2008-05-24

誘われて田植えをしに行った。田舎の景色は農家で生まれた僕にはとても懐かしい記憶を思い起こさせるもの。田植えをしたのは小学校の学級農園以来のことだろう。水が張られた田んぼの中に足を入れると土の中にずぶずぶと埋もれていってちょっと気持ちのいい感覚だった。アメンボ、かえる、おたまじゃくしなんかも久しぶりに見るなあと思う。ひもで等間隔に目印を付けながら苗をその土に植えていく。それでも人がやることだからちょっと気持ちをそらしたりしていると曲がってしまったりする。雨が降る予報だったけれど日差しも差す暖かな中で田植えができた。田んぼへと流れ込む澄んだ沢の水の音。泥まみれになって走り回ったりはしゃぐ子供たち。竹で作った水鉄砲。まだ歩けるようになって間もない小さな子は最初はびくびく母親にしっかり捕まっていたけどすぐにへっちゃらな顔で田んぼの中に入ってた。田舎の生活の微笑ましい風景。田植えのあと田んぼで食べたお昼ご飯、手打ちうどん、山菜の天ぷら、切り干し大根、おから、穫りたてのトマトどれもおいしかった。雨が降り出して田んぼから離れる。ひとりでそこで生活をしているおじさんの作業場では自分で作ったお酒を飲ませてくれた。お米の風味を強く感じる甘みがあるけど喉や胸が熱くなる。柿酢や味噌も自分で作っていた。自分でできることなら自分でやった方がいいっていうそんな感じの暮らし。散らかった作業場の机には無造作に置かれた本やCD、金井美恵子のエッセイやボブ・ディランジャニス・ジョップリンのCDがあったなあ。駅舍が温泉施設とそのまま直結したところに行って温泉につかって泥の汚れを流す。家に帰ってきてひとり、いただいた赤飯をレンジでチンして食べた。ずいぶん前のスピッツの歌なんかを聴きながら。そういえばスピッツの「田舎の生活」って歌がすごく好きで聴いていた当時、好きだった人にすすめて聴かせた時の感想は「さだまさしみたいね。」だった。

オーロラになれなかった人のために

オーロラになれなかった人のために