言葉じゃなくて想いなんだな

自分だって勝手な奴なんだろうけど、人なんてそれぞれ勝手なもんだって思ってしまうことがしばしばある。仕事に行ってみるとまた約束をすっぽかされていて嫌になる。もうこういうの自分の中で本当にどうでもいい感覚になってきている。仕事を切り上げて急ぎ足で夜に湯川潮音さんのライブを見に行った。ぎりぎり開演に間に合った。コツコツコツって足音がしてギーって扉の開く音がしてステージに現れた湯川さん。なんて雰囲気のいい人だろう。ささくれてもやもやした心が徐々に柔らかい感覚を取り戻そうと動いていく感じがして涙目になりながらその歌声を聴いていた。湯川潮音さんみたいな素敵でかわいい女の子がいてよかった。やっぱり歌があってよかった。僕はそれだけでいいと思った。歌を作るのは大変、でも死ぬまで歌い続けますって言っていた湯川さんはステージから姿を消したあとだって最後の最後まで自分のやり方で素敵な演出をしていて心からあたたかい想いが伝わってくるのだった。

灰色とわたし