アイルランド旅行記1

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成田空港から飛行機で飛び立って「イエスマン」「そんな彼ならやめちゃえば」「ラスト・チャンス・ハービー」と3本映画を見たり機内食を食べたり眠ったりしているとアムステルダムスキポール空港に着いた。飛行機の冷房が寒すぎ、喉が痛くて風邪ひいた感じ。青い飛行機からシャムロックのマークの緑の飛行機に乗り換えていざダブリンへ!

夕方の6時過ぎにダブリンに到着。ダブリンに来たのは実は2回目で8年前に一度訪れていたのだけれど、その記憶を頼りに前に泊まったことのあるホステルへ向かった。街を歩いていたのはもう夜のはずだけれどもまだ明るくって日が長いんだなって思った。ホステルでチェックインしていたらフロントの隣のカフェスペースで女の子がギターを掻き鳴らして歌ってたのでしばらく聴いていた。名前はモニカって言ってた。歌っている歌のことをフォーク・パンクってそんなふうに言っていた。

それから、頭の中で考えていた次の日の予定を具体的にしようと思ってフロントの女の子に相談してみた。ゴールウェイまで行きたいんだけれど電車の時刻表って分かるって聞くと、それならインターネットで調べて切符をそのまま買っちゃえばすごく安くなるわよって教えてもらって、無料のインターネットスペースで次の日の電車の切符とそのまた次の日の往復の切符をクレジットカードで購入した。ほんと安くなってた。ホステルの部屋は一番安いのにしたから一部屋にベッドが26個もある部屋だった。二段ベッドの上が僕の寝る場所で、下で眠っていた人が寝返りうつたびキュッキュって音がして気になったけれど知らないうちにぐっすりと眠ってた。
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朝起きると、まずシャワーを浴びた。それからホステルのカフェスペースでフレークやパンの朝ご飯を食べ放題をいいことにたくさん食べた。手持ちのユーロが少しだったからホステルのフロントでマネーエクスチェンジできるかなと聞いてみると10時からじゃないとできないって言われたからチェックアウトして出掛けることにした。とてもいい天気だった。聖パトリック大聖堂の近くの公園のベンチでのんびりしたりして時間をつぶしてたけれど、時間をもてあそぶだけだったからまた歩き出した。

リフィ川沿いをヒューストン駅に向かって歩いていった。ヒューストン駅について事務所に行って昨日ネットで買った切符の予約番号を伝えたら発券してくれた。この辺に銀行ってないのって聞いたらないねって言われて、電車の時間はまだ1時間ぐらいあったからちょっとまた歩くことにした。ギネスビールの工場の近くを通ると発酵した麦の臭いらしきものがプンプン漂ってた。その近くで銀行を見つけたので日本円をやっとユーロに換えることができた。そして駅に戻って電車に乗り込んだ。

電車に乗ってその外の景色を眺めていた。牛や羊のいる緑の牧場がどこまでも続いてのどかだった。天気は変わりやすくて晴れたり曇ったり雨が降ったりそんなのがぐるぐると回っていた。

ゴールウェイに着いた。ゴールウェイに来たのはアラン諸島のイニシュモア島に行くためだった。駅から街に出てまず向かったのはインフォメーションセンターだった。カウンターの男の人のところに行っていろいろ聞いてみた。フェリーの乗り方、フェリーの時刻イニシュモア島の安宿のことなど、とても親切に対応してくれた。フェリーのチケット、フェリー乗り場までのバスチケットなどを購入して安心したのでバスの時間までちょっとフラフラしてみる。もうお昼が過ぎちゃってるし、パブに行ってごはんを食べたいなと思ったけれど、目に付く人がたくさんの場所はなんだか高いし入りにくいなあと、駅からのメイン通りを外れて公園沿いを歩くとひっそりとした入り口のパブを見つけて入ってみるとカウンターには地元の常連さんらしき人たちがぽつぽつといるだけで、落ち着いた雰囲気でいい感じと思って空いていたテーブル席に座った。雰囲気の良い店員の女の子が注文を取りにきてアイリッシュ・ブレックファーストとギネスを頼んだ。カウンターの中の別の女の子は店内に流れるBGM、ビリー・アイドルやマドンナやセルジュ・ゲンズブールの歌に合わせて口笛吹いたり歌を口ずさんだりしているのがいい感じだ。

昼間からお酒を飲んで気分よくなっちゃった。真っ赤な顔してゴールウェイの街を散策した。ゴールウェイ大聖堂やスペイン門など。ずっと曇り空で天気が怪しくなってきたと思ったら、ついに雨が降り出した。そして、フェリー乗り場へ向かうバス乗り場へと急いだ。
 

バスには40分程度乗ってフェリー乗り場の港に着いた。あいかわらず雨は降り続いていた。フェリーでイニシュモア島に向けて出発した。天候が悪くて高い波に揺られていた。動く雲の間に太陽がたびたび顔を出すのを見ながら、晴れたらいいのにって思っていた。

イニシュモア島に着くと雨はさほど気にならなくなっていた。自転車を借りたかったけれど、どこももう閉店のように見えてあきらめて歩き出した。ゴールウェイのインフォメーションで対応してくれた男の人が電話で確認してくれたホステルを目指し歩き出した。地図には一本道を歩いてくとすぐさって雰囲気でマークしてくれてたけど、港から少し登ったところにコンビニがあって、一応、ホステルの道を聞いてみた。ここをずっと真っ直ぐ15分くらい歩けば着くわよって言われて、その通り歩いていった。でも15分じゃちっともそれらしきホステルは見つからなかった。引き返して、パブに行ってもう一度、道を聞くとまたとにかくこの一本道を真っ直ぐだと言われた。自転車に乗ったアジア系の若い男女二人組が僕を追い越していった。あー、まだ自転車借りることできるとこあったのかと少し悔やむ。さらに真っ直ぐ歩くとやっとそれらしきホステルを見つけた。
 
ホステルの受付でゴールウェイのインフォメーションで紹介されたんだと言うと予約は入れてくれなかったようだけれど、ベッドは空いていて部屋の鍵をもらった。部屋のドアを開けると、さっき自転車で僕の前を通り過ぎたアジア系の若い男女二人組がいて、ナイス・トゥー・ミート・ユーと二人と握手を交わした。お互いどこから来たのかって紹介しあう。パクとリョンという名前の韓国人でダブリンに語学留学しにきてて今日は旅行でこの島まで来たようだ。自転車まだ借りれたんだね、もう店閉まってるようだったのに、と言うと、僕らぎりぎりだったんだと思うよ、最後のお客だったからねと言っていて、僕も行ってみたら良かったなと思った。お腹空いてるかって言われて、もうペコペコだねって言ったらリョンの手づくりのサンドイッチを二つ、食パン4枚分を食べろよって渡してくれた。自分たちのはあるのって聞くと、いいの後で辛ラーメン作って食べるんだからと言ってインスタントラーメンの袋を見せた。僕らちょっと自転車でこのまわりを走ってみてくるよって部屋から出て行った。ひとり部屋に残った僕は二段ベッドの上にあぐらをかいてサンドイッチにむさぼりついて、うまいってすぐ平らげた。それから僕も外に出て薄暗い道を散歩した。
 

ホステルに戻ると、パクが、リョンは今キッチンで辛ラーメン作っているよ、食べるかいって言うので、いや、さっきのサンドイッチでお腹いっぱいさって言うと、ビールあるからさ一緒に飲もうよ、キッチンに一緒に行こうと誘われて着いていった。3人でビールで乾杯していろいろなことを話した。二人は同じエージェントで留学してダブリンで知り合ったみたいだけど別の場所で住んでいて別の学校に行っているみたいで恋人同士でもないみたいだけどなかよしだった。リョンが韓国人の知り合いっているのって聞くので、いやいないよって答えると、じゃあ私たちが初めての韓国人の友達ねって言うので、そうだねって答えた。友達って簡単になれるものなんだね、なんて思いながら、友達って言ってくれるなら僕も君が友達さって言って、この旅の後にたぶん二人とまた会えることなんてないって思うけれど、それでも友達でそれでいいさって思って、なんだか楽しかった。部屋に戻って、パクがシャワーを浴びている間、リョンと話していたら、パクとはこの旅行のあと会える機会がないかもね、パクはロンドン行くみたいだからって淋しそうに言っていたのが印象的だった。パクが部屋に戻って、パクとリョンが韓国語で話しているのを意味分からずベッドで聞いているうちに僕は眠ってしまった。