格闘する者に○

三浦しをん著「格闘する者に○」
三浦しをんさんの「月魚」という本を前に友達から借りて読んだことがあった。「月魚」はちょっと設定が渋くてページを進める速度が遅かったのですが読み進めるうちに面白く感じて徐々にストーリーが理解できてくるような感じだった。実は正直に言うと人に借りた本でなければ途中で読むのを止めてしまいそうなくらい最初の方はストーリーがつかめなかったのだけど。でも読み終えると面白いと思った。

そんな三浦しをんさんのデビュー作「格闘する者に○」を読んでみました。この本は最初からタッチが軽くてスイスイとページが進んで一気に読んでしまった。漫画を読むことに何よりも情熱を傾ける女子大生の就職活動の話なのだけれど、主人公取り巻く環境がちょっと変わっていたりとか登場する人たちのキャラクターがどれもいい感じで読んでいて飽きないです。就職活動をしていたのはずいぶん前だったし、自分のその時の状況を思い出すかというとそういうこともない。いい加減に軽く考えていそうでいながら、やりたいことを仕事にしたいという情熱で就職活動に取り組む姿は一応ちゃんと就職した僕なんかよりずっとしっかりしていると思ったりしました。もし、僕が就職活動中にこれを読んでいたなら、タワーレコードやHMVとかレコードレーベル会社に足を運んでいたかもしれないな。そんなわけないか...
「格闘する者に○」という不思議なタイトルは読みすすめていくと、ああ、そういうことかって分かりますよ。

格闘する者に○ (新潮文庫)

格闘する者に○ (新潮文庫)