僕の心の中に住む怪物

お昼に新しくできた無印良品のカフェでご飯を食べたんだけど料理をお皿に盛り付けてくれた店員の女の子がとてもかわいくて、なんだか得したなあとかまた来ようとか、そんなことだけ考えていられたらいいなあと思ったりする。生きていくには軽薄な感じがないとやってられないんだものとか思う。相手が善良な人であっても、考え方や意見が噛み合わなくって、言い争ってしまう。なんでこんな風になるのかなあ、僕の性格が悪いのかなとか、後味が悪い気分になって気持ちの部分で疲れを感じる。そんなまま、やろうと思っていたことを終わらせたら終電乗れる時間を過ぎてしまい、いつも使っている路線と別の電車に乗って帰る。東京だと普通の風景なのだけど、夜遅いのにたくさんの人が電車に乗っていて、ふとなんでこんな場所にいなくちゃいけないのかなあと思う。目や耳についた言い争っているカップル、携帯電話で長電話している人、そんなのをうらやましく思う気持ちは少し、ひとりでよかったと思う気持ちが勝ってしまう。そんな僕でも会いたいなあと思う人は何人も頭に浮かんだりする。ヘッドホンを耳に突っ込んで音楽を聴く。いまどき、好きな歌を詰め込んだカセットテープをウォークマンで。〜空を見上げて僕は そこから抜け出したいと思う〜中でも最近お気に入りの田辺マモル(守)さんの「いつも空を見てた」が気分を軽くさせてくれる。読みかけの小説をバッグから取り出し、読み出すとすっかり引き込まれてしまい、電車の中なのに泣いてしまいそうになる。家に着いても本が気になって続きをひたすら読む。小学生から中学生になる女の子の春休みの出来事を描いた小説だけど、今考えていたことのような気持ちの部分に妙に重なってしまったのだろう。正直、泣いた。次の日は朝早いっていうのにえらい夜更かしだ。湯本香樹実さんの小説はやっぱり好きだ。

春のオルガン (新潮文庫)

春のオルガン (新潮文庫)