しゅうちゃん

お昼過ぎに実家へ帰った。新幹線は混んでいてほとんど立ったままだった。前の日に手に入れた亜紀さんと鍵盤女のアルバムを移動しながら聴いてたけどとてもよかった。あとぺすかさんジャケットの田辺さんの 転向しよう、そうしよう を聴きたくなったので聴いていた。やっぱり田辺さんの歌がすごく好きだと思った。実家は随分寒いんだろうなと雪景色を想像してたらそうでもなかった。雪はたくさん降ったらしいけれど天気がよくなって溶けてしまったらしい。お年取りということでご飯を食べた後に消しゴムはんこで年賀状を作った。ずいぶん雑な感じと思ったけれど、甥がうまいねえ器用だねって言ったのでありがとうと言った。消しゴムはんこを押すので力尽きたので宛て名書きなどは新年を迎えてからにすることにした。新年を迎える少し前に家から出かけて近くの神社に二年参りに行ってきた。歩きながら2012とタイトルの付いた音源を聴いていた。さようなら、2012年が過ぎていった。どうもいろいろお世話になりました。お参りをしてお神酒を飲んでだるまをもらって甘酒を飲んで家にまた帰ってきた。テレビではさだまさしが案山子を歌ってた。自分をいかして生きる という本を興味深く読み終えた。あとがきにつばめのエピソードがあって読んでいたらなぜか小学校に入ったばかりのことを思い出した。小学校に入ったばかりのとき同じクラスに近所だったから何をするにもいつも一緒にいたしゅうちゃんという友達がいた。二人でばかみたいなことばかりしてた。洗面器に石鹸水を入れて道に放置されてた犬のウンチをその中に入れて集めてまわったりして親たちにずいぶん怒られたり、親の財布から10円玉をたくさん盗んで持ちだしてガチャガチャをやったりして僕はバカだからガチャガチャするには半端であまった10円玉をもういらないやって歩道橋の上から投げ捨てたりしたらしゅうちゃんは頭よかったから、あきらはバカだなお金捨てるなんてって言われたりした。ある日アパート階段にあったつばめの巣が荒らされてて下に何羽かの雛が落ちて鳴いているのを二人で見つけて箱に入れて家に持って帰ってしばらくミルクをあげたりして飼っていたけど親たちがつばめは飼っちゃいけないものだからちゃんと育ててもらえるところに預けるからと持っていかれてしまって二人で涙をいっぱいにしたってことがあった。そんなしゅうちゃんはすぐに転校してしまった。あきらと離れたくないってずいぶん泣いていた。あんなふうに想われたことは他にあったかなって思うくらい。それ以来しゅうちゃんとは会ったことが無い。